ふるさとに戻ってからは、コンデンサを製造する電子会社、瓦製造会社、ガス会社を経て、33歳の時に江津市森林組合に入社しました。きっかけは、前職をやめた時、すでに家庭を抱えていたため、とにかく仕事を探さないといけなかったからです。
森をつくる仕事には、こころ揺らす感動がついてくる。
現在の仕事は、山を刈り、植林し、数十年かけて木を育てる仕事です。しかし、仕事はやってみなければわからない。今では仕事を通じて、森をつくることにやりがいを感じています。植林後、5年間くらいは現場の草刈りをしますが、それから木が成長するまでは見ることがありません。そして10年後くらいになって現場にいくと、木々が成長して、当時と景色がまったく変わっているので、とても感動します。
現場に入る時は、4~5人でチームを組みます。このメンバーで山を伐る場合は、4ha(40,000㎡)前後の範囲を伐っていきます。1人あたり、100m×100mの範囲を約1ヶ月かけて伐っていく計算です。草刈りの場合ですと1日約30m四方を刈っていきます。現場が平坦なところならよいのですが、山間、谷間、急斜面など様々な条件の現場があるので、その状況に合わせて作業をしていきます。
人間の小ささを超えた、スケールの大きな仕事
この仕事には、数十年かけて森をつくるという、大きなことをしているという実感が伴います。自分が刈った現場を子どもにも見せたこともあります。また、自然が相手なので、人間関係のいざこざなどがないですね。作業は一人ひとりが責任をもってするので、基本的に自分の自由にできる。一方、現場はチーム全体で支えあう関係で成り立っているため、作業の失敗は仲間の命にも係わります。そういう意味でチームワークはしっかりしていますよ。
いいチームワークのためには、体力と技術習得が大事です。体力は自己管理で、技術の部分は、先輩の動きを見て盗む、やってみて学ぶことです。そのためには、積極的に自ら動く人。体力があって、自己管理ができる人。自分自身で考えることができる人が向いていますね。そういう人なら、やる気と体力があれば「死ぬまで現役!」ということも可能です。
※2018年7月時点の情報です