都会の生活はそれなりに楽しかったのですが、このままの生活でいいのかと将来に不安を覚え、平成19年に帰郷。将来が気になる27歳のときでした。広島にあのままいても、お金もかかりますしね。
そして江津に帰って1週間、ハローワークでここ誠和商会の求人を見つけました。当時、車の免許もなく、家からすごく近かったので行きたいと思いました。ものづくりが好きなので、「ここならいいか」とも思いました。当時、誠和商会のことは全く知らなかったのに。
入社といっても1ヶ月は不安定な試用期間。機械がうまく使えないと違う部署に移されるので、必死に機械を使いこなしました。最初はガス溶断をするNC溶断の部署へ配属され5年間がんばりました。そして4年前に、いまの曲げ加工に移動。細かな調整をしながら、感覚・経験で加工する難しい部署です。
さまざまな部署を経験して技術と感性を磨く
社内にはさまざまな部署があり、社員の技能を育てるために、移動先は会社側が決めます。だから会社内のさまざまな部署を経験する人が多いです。特に大きな物を扱ったときはリスクも高いので、その達成感もとても大きいです。
やりがいは、ものづくりの楽しさを感じたとき。自分が作った部品が何かに使われるということはうれしいものです。曲げ加工では、小さいものだと5cm~7cm、大きいものだと3mにもなる。大きいものはリスクが高い分、うまく仕上がったときの“やった感”はものすごくあります。
曲げには、感性が重要です。90度に曲げるにも素材によって一発ではできず、修正がいります。曲げの操作はペダルで行いますが、勘が必要です。以前のNC溶断でも溶けるときに火が噴きあがったりするので、ガスと酸素の調整で火を扱うコツがあります。こういった“勘”は、実際にやってみた経験からしか育たないので難しいです。そんな経験からくる能力や勘と職人の感性を発揮できるものなので、そこがやりがいになります。
最終工程の担当者として責任と信頼を
将来の目標は、とにかく失敗をしないこと。
いま担当している曲げ加工は、最終工程なので、納品先のお客様と図面の仕様など細かな相談をすることが多い。そのため確認をしっかり行うことが重要で、失敗すると大きな迷惑になります。
責任のある仕事で、お客様や会社に信頼される人になりたいですね。
※2017年3月時点の情報です